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オレたちだって大声で人にいえないことしてきたんだ。
お腹の方に回されている手にしがみついて、深呼吸を繰り返した。
ふー…。
「落ち着いたか?」
「あぁ…うん。立ってるの疲れてきた…」
「あ、悪い。ほら部屋いくぞ」
「……あ、待って。弘樹…大丈夫なわけ?」
目隠しを外されたときにはクイーンもしっかり服を着ていて、髪を乾かしていた。
そのクイーンに問いかける。
本当のことを話してくれと、目で強く訴えながら。
「……少しムリをさせたみたいだけど、ちゃんと合意の上だから」
「なら…いい。オレの大切な友達、泣かせたら許さないから」
「っ…」
「それから、…目が覚めるまでいてやって。目が覚めてそこにいないと、結構寂しいから…」
「え、いた…」
「っ、アンタは早く部屋入る!じゃ、そゆことだからっ」
「……うん…」
目を丸くしてオレを見た辰巳を押して自分の部屋に入り、勢いよくドアを閉める。
でもなんだか隣に弘樹とクイーンがいると思うと少し落ち着かなく、結局辰巳の部屋にいくことにした。
弘樹が起きてから、もう一度部屋に帰ればいいんだもんな。
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