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──ペシッ
「え…?」
「……見んな。てめぇここで何してやがる」
「ちょ、何も見えなっ…辰巳?」
オレの目を辰巳の手が覆い、何も見えなくなってしまった。
心なしか抱きしめる力も強くなったような…?
どうしようかと思っていたら、目の前にいたクイーンからクスクスという笑い声が聞こえてきた。
……と思う。
「そんなに睨まないでくれるかな?ごめんね黒蝶、お風呂借りたよ」
「いや…何でまた…」
「やだなぁそれ聞くの?ヤボじゃない?」
「………ついにか、」
「ついに、だよ。ごめんね。大丈夫、弘樹君の部屋しか使ってないから」
ヤボ…?
お風呂借りて、弘樹の部屋だけ使う。
……ついに、……ヤった?
「……えっ、シたの!?」
「ふふ、ちょーっとムリヤリだったけどね?」
「っ…あ…、む、えっ…?」
「ククッ、焦りすぎだ。いつかはこうなるって分かってたことだろ?」
「そ…うだけど、いや…うん…」
予想しててもビックリするもんはするんだよ。
しかも友達の弘樹が、あのクイーンに…って…これ、考えちゃいけないこと、だよな…?
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