2ー27
もー人が出そうとしたときに何でかぶせてくるんだよ。
でもいいタイミングだったから、辰巳が出したものの横にオレのも置いた。
辰巳がそれを見て、驚いたように目を見開いた。
……あ、オレが用意してるとは思ってなかったんだな…。
「俺に…か?」
「う、うん…ね、一緒に開けてみよ…?」
「……ああ、そうだな」
辰巳のプレゼントを手にとる。
箱の形で大体の予想はついてるけど、リボンを解く手が凄く震えた。
心臓がうるさいくらいドキドキ音を出してる。
──シュル…パカ、
「っ…こ、れ…」
「……お、カフスか…?」
「辰巳っ、これっ!」
「でもなーんで一つなんだよ。もう一つは…?」
「あーもー一つは今オレがつけてんの!お揃いがよくてでもピアス開けらんないし……じゃなくてコレッ!」
オレが選んだものは、シルバーのシンプルなカフス。
ピアスだと母様がうるさいだろうし、でもお揃いがよくて。
こっそり今日はつけてたりする。
じゃなくて…さ、なにコレ。
ほんっと…辰巳はオレを泣かせようとするのがうまいっていうか……ゆ、びわとか、さぁ…っ。
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