2ー25
けど辰巳はそんなことを気にせずフロントへ行き、鍵をもらって戻ってきた。
……まさかのスイートルーム。
「うっわぁ…景色すごっ!てか何この料理…」
「今日は、クリスマスだからな」
「だからってこんなこと…大丈夫?」
「大丈夫…って、そりゃ彼氏に聞く言葉かぁ?」
「っ…ぅ、ごめ、でも…」
こういう場所がいくらなのか知ってるからこそ、余計心配になる。
だってオレは、辰巳がいてくれれば他には何もいらないんだよ?
オレのためにムリ、して欲しくないんだ。
………ああ、これは嘘だ。
オレのためにムリをするとか、ほんとは嬉しくてしょうがない。
愛されてるって、感じるからかな。
「……ま、気にするな。素直に喜んでくれた方が俺も嬉しい」
「うん…ありがとう。ほんと、ありがと…っ」
「せっかくだから食うか」
「はは、シャンパンとワインまで用意されちゃってるし」
「こりゃ飲むしかねぇな」
(つか…クイーンが用意してくれたとかいえねぇよな、男として…)
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