2ー24
軽く首を傾げて、目を細めて笑いかけると、あまり見たことない顔を真っ赤にした辰巳がいた。
ね、その顔、オレがさせてるの?オレにだけ?
……そうだといいなぁ。
「……チッ、これじゃ性に合わねぇよ」
「え…?んっ…ちょっ!?」
「俺としちゃ、こんな夜景より瑛太の方が何百倍も綺麗に見えるがな」
「ば…っ!///」
触れるだけのキスとか、キザすぎて笑えない。でも凄く、凄くかっこよすぎて直視出来ない。
横に移動してきた辰巳と手を繋ぎ、赤い顔を隠すように肩にもたれかかった。
ゆっくり流れていく2人だけの時間が、もっと続けばいいのにと、心の中でそう思った。
◆
「……うっそ…」
「大口開けてねぇで行くぞ」
「いや、だってここ…!」
「何もいうな。全部あとで聞いてやる」
そんなこといわれても…。
遊園地から出て連れてこられたのは、凄く高級なホテルだ。
オレとしてはそんな珍しいところでもないんだけど、まさか辰巳とのデートでここに連れてこられるとは思ってもみなかった。
しかも、モロ私服だし。
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