2ー20
「……なぁ、瑛太」
「ん?」
「他はどこ行きてぇ?」
「え、何急に…」
「いや、たくさん連れてってやりてぇな…って。今までたくさん、してぇこと我慢してきたんだろ?」
「っ…そ、うだけど…」
「俺といるときは我慢すんな。やりてぇことたくさんしようぜ」
……もしかしたら、たくさん動いて疲れてるのかもしれない。
だって、いきなりそんなこといい出すんだから。
でも、確かに今まではたくさんの我慢をしてきた。
遊園地も水族館もそうだけど、動物園とか、おもちゃ屋さんとか。塾や家庭教師ばかりで遊ぶ時間もなかったし、遊ばせてくれなかった。
……まぁ、博物館とか科学センターとか、本当に役にたちそうだと母様が判断したときだけ、連れてってもらえたかな。
「……じゃあ、雪が積もったら、みんなで雪合戦とかしてみたいな」
「…いいな。チーム戦にしてやってみるか」
「ふふ、うん」
「っと、順番きたか。ちびんじゃねぇぞ…?」
「なっ、アンタはオレを何だと思ってんだよ!」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!