2ー17
中から聞こえてくる軽快な音楽や声。こっからでも見えるアトラクションに、瑛太の目は輝いていた。
初めてなら、思いっきり楽しもうじゃねぇか!
「ちょっとここで待ってろ。チケット買ってきてやる」
「あ、オレも行くっ」
「くんな」
「……え…」
「あ、いや…来たら自分で払っちまうだろ?だから待ってろ」
今日は、一から十全てをエスコートするつもりできたんだ。
そりゃ瑛太ん家と比べりゃうちは貧乏かもしんねぇけど…今日1日楽しませるくれぇの金はある。
……が、瑛太は自分で払うつもりだったらしく、困ったように…いや、少し怒ったように拒否してきやがった。
ったく、変なとこでプライドたけぇっつーか…融通がきかねぇっつーか…。
「今日は俺に任せてくれんじゃねぇのか?」
「っ…でも、チケットくらい…」
「ダメだ。第一、財布は持ってくんなっつっただろ」
「ご、めんなさい…」
しまった、ちょっとキツく言い過ぎたか?
明らかに落ち込んじまった瑛太に、少し反省。つか瑛太も、んな暗い方に考えんなっつーんだよ。
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