2ー16
前髪は上で縛っているが、赤と黒のチェックの玉がついたゴムで縛ってやがる。
どれをとっても可愛らしい。
……つか、俺は瑛太がいわゆるオタクルックをしてきても、可愛く見える自信がある。
「……おーい…行かないの?」
「あっ…ああ、そうだな」
「あー、アンタ、今見とれてたでしょっ?」
「……そうだったら?」
「えっ?…っ、し、知らないっ!」
ったく、人はからかうもんじゃねぇぜ?
だがその通りだ。俺はいつだって、お前に見とれてる。
だが待たせちゃわりぃからな、瑛太の手をとってしっかり指を絡め、あの場所へ向かうことにした。
……街へ出て手を離さなきゃいけねぇのはツラいがな。
◆
「うっそ…マジで?」
「ああ、マジだ」
「っ…うわーうわー凄い!うわぁ…っ」
「そ、んなすげぇか…?」
「だって初めて来たもんっ、遊園地!」
……そう、今日のデートコースは、無難に遊園地にしてみた。
瑛太となら楽しいとも思ったし、水族館が初めてだったならこっちも…と思ったからだ。
どうやら正解だったみてぇだしな。
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