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2ー11
さっき手に触れたときよく分かった。怖くなかったんだ。

むしろしっかり触れると、そこからどうにかなっちゃいそうで、恥ずかしくて出来なかっただけなんだ。



「っ…、」

(俺は、なんて臆病者なんだ…っ!)


「辰巳…」



もう、すぐそこまでやってきている手。プルプル震えていて、それが何でかっていうのは嫌というほど分かる。

触れたら、怯えるんじゃないか。それは嫌だ。ツラいし、申し訳ない。
……とか、辰巳は優しいから思ってるんだろうね。


ごめんね、オレがそうさせたのに。


だから少し近づいて、その手を自分の方へ引っ張った。
驚いた目をして倒れてくる辰巳の唇へ、オレからキスをする。

不安定な格好のまま、くっつけるだけのキスを。



「……今までごめんね、辰巳……オレ、もう大丈夫だから…」


「お前…」


「だから、たくさん触れて?いっぱい、今までの分たくさん触っ、ンぅ!」


「好きだ…っ…は、ン…瑛太っ」


「ふぁっ、ん、…たつ、んぅ、もっと…!」



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