2ー9
こっちを見ないで教室を出て行こうとする辰巳。
どうして、どうしてどうしてっ!
「……も…っ、一緒に、いてくれない…の…?」
「……?」
「嫌だっ!ヤダヤダ…ッ、嫌わないでよぉっ!!」
「おい、瑛太…?」
「ごめんなさっ、オレが、オレがこんなだから…っ…でも、離れてかないで…!」
ああ、オレは凄く残酷な人間なのかもしれない。だって、嫌われるようなことをしたのはオレだ。
オレが辰巳にツラい思いをさせてるのに、離れるななんて自己中もいいとこだ。
でも………
───でもっ!
オレには、辰巳が必要なんです…。
床に崩れ落ちて、涙が止まらなくなる。
足を止めてこっちまで来てくれた辰巳だけど、オレとの間に少し距離があるのは気のせいじゃ、ない。
「っ…い、やだ…っ、離れていかないでぇ…っ」
「瑛太、落ち着け瑛太っ」
「お、オレが悪いの分かってる!でもヤダのっ…おねが、謝んないでよ…」
「いや、それは俺が怖がらせちまったからで…」
「違う!違う違うっ、辰巳は悪くなっ…悪いのは全部オレッ…弱いオレ、が悪いんだ…っ」
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