2ー7
逆のドアから逃げ出そうとした奴にイスを投げ、近くにいた奴に蹴りを繰り出す。
瑛太を襲おうとしてたんだ、どんな蹴りよりも重いもんを喰らわせてやった。
残りは1人。
腰を抜かしたのか尻餅をついて後ずさっていく。
『ひっ…わ、悪いっ…俺たちゃ、そのっ』
「……言い訳はいらねぇ。そこの2人連れてさっさと消えろ」
『は、はい…っ!!』
「ああ、それと…キングにゃ丁寧に報告しといてやるぜ?」
『っ…おわ、た…』
「あ…T-cardsだった、んだ…」
「だな、大丈夫か?」
力の抜けたようにゆっくり頷く瑛太を見て、無性に抱き締めてやりたくなった。
もう逃げるなと、耳元で囁いてやりたくなった。
だが、ここはグッと…、
「あっ、ありが…とう」
「っ…バカやろ、1人になんじゃねぇよ…っ!」
「っ!?…ひっ、」
……ああ、バカは俺だ。
何、抱き締めてんだか…怯えてんじゃねぇか。
* * *
久しぶりに触れた辰巳の手は、凄くすごく熱く感じた。
そこからじんわりと熱が広がっていくようで、その熱を冷ましたくて逃げたんだ。
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