2ー2
冷静になると、紫烏の『目が似てる』発言が凄く気になった。
ソックリだと思ったことは一度もない。
そりゃ、オレもあまりいい目はしてないのは分かってる。
怖いといわれたこともある。
でも、辰巳と似てるなんて、恐れ多くないかな。
「んー…そういう風に見たことなかったけど…似てるかもな、いわれてみりゃ」
「……俺も、チームの奴に何回かいわれたことあんな…」
「え、ホント?…ぅ、わ…それってさ、凄くない?」
「凄いか?」
「うん、凄い。アンタと一緒とか、幸せすぎるかも」
ずっと嫌いだと母親にいわれ続けた目だけど、辰巳と似てるとなると凄く特別なものになる。
ねぇ、ねぇ、
触れ合えなくても、目で繋がってるとか思っちゃうオレは、バカなのかな。
「……そうだな。俺も嬉しい」
「良かっ…た」
「んな顔すんな、嬉しいに決まってんだろ」
「ぐぁっ、ちょ、俺いんの忘れんなよーっ」
「忘れてないよ。いてもいなくても同じだろうし」
「うわヒデッ」
物理的な距離は縮まらないけれど、でもずっとずっと近くに、辰巳はいる、よね…?
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