23 でもいくら辰巳が怒鳴ったところで、野次馬が減るわけでもなければ、この気持ち悪さがなくなるわけでもなかった。 ガマンガマン、そう言い聞かせて自分の席につき、弘樹と軽く話す。 ああもう、ほんとは辰巳とももっと話したいのに。 「そーそー、休んでた間のノートなんだけどさ、…俺のでい?」 「あー…まぁ、ないよりは」 「だ、だよなー!いやー昨日タッツーにはいらねぇって突き返されてよぉ」 「だって弘樹の字汚いし、しょうがないんじゃない?」 「な、なんだとーっ!?」 ははっ、ホントに何で、弘樹は大丈夫そうなのに…。 それからその日はノート写しに時間を使い、他のことを気にする暇もなく1日が終わった。 触れない、うまく喋れない以外は特に変わったこともなく、そのまま2・3日が過ぎていく。 時々様子を見にキングたちが来るも、やっぱり前みたいに触れることはなくなった。 ………でも、周りの目は、確実に変わってきていたんだ。 「瑛太、」 「……え?」 「俺このあと呼ばれてっから、前田と先帰ってくれ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |