16 「っ、ぎゃああああーっ!!」 「っ──!?」 な、な、なにっ…!? 今の悲鳴、弘樹の声じゃん! 慌ててベッドから飛び降りて声のしたキッチンの方へ向かった。 え、つか弘樹がキッチンって何で?! 「だ、大丈夫っ!?」 「え、エータ!見てくれよこれっ…初めてのホットケーキが真っ黒焦げに…!!」 「はっ…はあ!?焦げたって…ビックリさせないでよ…」 「一大事だろーがっ」 「うるさいヘタクソッ」 全く、もっと凄いことになってるのかと思ったし。 料理なんてしないくせにムダにいじるから失敗するんだよ…。 隠しもせず盛大にため息をついてやったら、弘樹は言い返すわけでもなく少しシュンとしてしまった。 ……いいすぎた…? 「……しょーがねぇじゃん…部屋で食おうと思ったら作んなきゃだしよ…腹減ったし、ホットケーキミックスあったし」 「何で部屋……っ、!? ぁ…え…?」 「たまにはいーじゃんか、な?ってことでエータ、交代だ」 「………うん。今、作る…」 「おうっ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |