11 …それが伝わったかどうかは俺には分からねぇが、瑛太はイルカを抱き寄せて座ったままの姿勢で、眠りについた。 いや…気を失った、に近いか? 俺はその格好だけ直してやり、目元の涙を拭いて部屋を出た。 こいつらの…特にキングの困惑した視線が突き刺さる。 「……おい、黒蝶は…」 「寝た。…つかてめぇら、何しにきたんだ、あ゙?」 「帰ってきたって聞いたからみんなで見舞いに行こうって…俺がいっちまった…」 「自分たちはヤられっぷりを笑いにきただけッスよ」 「ねぇ…あの、本当にケガしただけ…?」 「あ゙…?」 「……まるでレイプされたあとの奴と同じ反応だ。こいつらはそういいてぇんじゃねぇの?」 クッと喉を鳴らすレイジに全員が視線を泳がせた。 …が、コイツのその言い方が気に入らず、力任せに拳を振る。 当たらなかったそれが空を切り、レイジとシロが俺を睨みつけてきた。 「ああ…そうだよ。だからてめぇら近寄るんじゃねぇっ!」 「っ…んな、まさか…!」 「帰れ。出てけ。…瑛太が落ち着くまで近寄んな」 [*前へ][次へ#] [戻る] |