7 凄く、凄く嬉しいよ。 でも同時に自分を恨んだ。 あのとき物欲しそうに見ていなければ、あんな目には合わなかったのに…と。 それに、無くしたと思っていたストラップも一緒に置いてあった。 オレはそれを手にとり、今一度ケータイに結びつける。 今度は、簡単につけることが出来た。 そのケータイを枕元に置き、イルカのぬいぐるみを抱き寄せて目を瞑る。 辰巳、ごめん、ごめんね…あと少しだけ、心を落ち着かせる時間を下さい。 ▼辰巳side 「な、なぁ…エータ、マジ大丈夫か…?」 「……大丈夫じゃねぇ…けど、アイツに今は触れんな」 「え、一緒にいた方がいいんじゃ…」 「いや、今は1人の方がいいみてぇだし…まぁ、でも、前田なら大丈夫かもな」 邪な思いを持たねぇ、"心友" のコイツなら。 それはすげぇ悔しいことだが、瑛太のためなら仕方ねぇ。 俺が我慢すりゃいい話しだ。 「タッツーも…大丈夫か?すげーツラそうな顔してんだけど」 「………部屋、戻る」 「え? あ、おう…」 「何かあったら呼んでくれ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |