3 オレと辰巳の間に置かれた、少しの荷物。 ああ、いつもおかしなくらいくっ付いてたもんね。 間に荷物がくるなんてこと、今までなかった。 ………そうさしたのは、オレ。 ごめんごめんねごめんなさい。 オレが弱いばかりに、大切なあなたを傷つけてしまって。 でもまだ、紫の影が消えない今、人というもの全てが怖い。 手が伸びてくれば、その手は首にかかるんじゃないかと考えてしまう。 ……辰巳はそんなことしないって、分かってるのに。 「ったく…んな顔すんな」 「え…?」 「俺は気にしてねぇから。んな顔してっと前田が心配しすぎて倒れるかもしんないぜ?」 「そ、れは…ないよ、きっと」 「いーやあるね。…心友、なんだろ?」 「………うん」 弘樹たちは、オレに何があったのか知らない。休んだのはcolorsで揉めてケガをしたから、そう伝えてあるらしい。 ……ああ、でも、キングやレイジたちはどうだろうか。 そう辰巳に聞かされていても、真実を別のとこから聞くことがあるかもしれない。 そのときオレは、何て答えればいい? むしろ、聞いてほしくない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |