2 辰巳の部屋で目が覚めてから2日。2日だけ学校を休んで、寮に戻ることにした。 この2日間、辰巳は声をかけてくるもののオレに触れてくることはなく、夜、オレが寝たと思ったのだろう辰巳は外へ出て行った。 白虎さんから電話がきて、colorsを引き連れて族を潰してるとかなんとか。 もう、申し訳なさすぎてどうしていいか分からなくなる。 でも白虎さんはオレに何があったのか知っていて、ただ励ましてくれた。 けれど気持ちは晴れることなく、辰巳との隙間も塞がることはない。 「……本堂学園まで」 『はい、本堂学園ね』 人が怖いといったオレを気遣ってか、学園までは電車やバスではなくタクシーで向かうことに。 お尻はまだジクジクと痛むけど治りつつあるし、殴られた方の頬は腫れも引いてきた。 右頬はまだカサブタにもなっていないからガーゼが目立つかもだけど、だいぶ "体" はよくなってきてる。 「………」 「………」 無言が、こんなにも息苦しいものだとは思わなかった。 タクシーが、こんなにも広いもんだとは思わなかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |