16
予想外にハマりすぎたことに驚き、お腹を押さえながら近くのファミレスに入った。
途端お客の視線が一気にオレたちの方を向いて、ひそひそと話し出す。
『かっこいー』
『うわ、綺麗だな…男だろ?』
『声かけちゃう?』
だの不純な会話に、
『あれってcolorsじゃ…』
『総長の灰狼と副総長の黒蝶じゃね!?』
『やっべ、生で初めて見た。こえー』
だの明らか夜関係の人たちの会話。
外を歩いてるときもあったけど、それは歩けば聞こえなくなるものだからまだ良かった。
あまり来ない街で、ご飯を食べてるとこをジロジロ見られる。
気分のいいものじゃない。
「……違うとこ行くか?」
「ぁ…ううん。どうせ他いっても同じだろうし…」
「………チッ」
「っ、!?」
大きな舌打ち。
オレが暗くして気を悪くさせてしまっただろうかと、不安が一気に押し寄せてきた。
小さく跳ねた肩は辰巳にバレただろうか?いや、それよりも謝って外へ…。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!