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でもさ、好きな人が自分にドキドキしてるのって、どうしようもなく嬉しいことだろ?
「ふふっ…まずはどこ行こっか」
「色々考えたんだけどよ…とりあえず俺は服が見てぇ」
「いいね、オレも欲しいかも」
「……瑛太は?どっか行きてぇとこねぇの?」
「…………あ、る……けど、いい」
「あ゙?」
うわ、怒った。
手に力が入ったし、空気がちょっとピリッとした。
でもオレはいわない。
いったらバカにされるかもだし、優しい辰巳のことだから無理しそうだし。
だから辰巳には悪いけど、そのことは何も喋らずに街へ向かった。
……少し不機嫌になった辰巳には軽くキスをして。
◆
「うっわー冬物いっぱい出てる」
「編入してから外に出る機会減ったからな…服買うのも久しぶりじゃねぇか?」
「ほんとにね。あそこにいて流行乗り遅れたりして」
「ははっ、ありえねぇ話じゃねぇな」
辰巳の家に泊まることもなくなって、colorsに顔出すためだけに夜たまに抜け出すようになって。
こうして外を出歩くのはほんとに久しぶりかもしれない。
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