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ああ、でも…辰巳も何着てもかっこいい。
黒いジーパンにチェーンベルト、上は赤のタンクトップに白のジャケット。
白いパンツにしてみて良かったかも。
「えーいた、」
「っ…今行くしっ!」
そんなに見とれてただろうか?
結構前をいく辰巳を慌てて追いかけ、差し出されてる左手にオレの右手を重ねた。
ニヤッと笑ってからスルリと絡まってくる指。こんな、指同士が絡まり合うイヤラシい繋ぎ方は初めてだ。
つい手をビクリとさせ、俯いてしまった。
「……ククッ、今更なに照れてんだよ」
「う、うっさい…ビックリしたんだよっ」
「俺もビックリ」
「……?」
「お前との初デート、結構緊張してるみてぇ…」
「ぇ…う、嘘だぁ…」
「マージ。ほら」
──グイッ
繋がれてる手で体を引っ張られ、辰巳に体を預ける形になる。
すると必然的に辰巳の胸のあたりにオレの顔がくるわけで……うわ、凄い。
ドクンドクンと、音をたててる。
オレだけじゃないんだ、ということが嬉しくて、クスッと笑ったら笑うなと小突かれた。
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