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「……瑛太?」


「ごめ、なんでもない…2人ともこっち見ないで…っ」


「おーいどした?…耳まで真っ赤だぜ?」


「っ、うるさい弘樹!辰巳もニヤニヤするなっ」


「エロいことでも考えたか」

「ちが…っ!」



そうじゃない。
ただ…自慢の彼氏を持ててなんて幸せ者なんだ、そう思っただけ。

みんなが羨むカップルになったんだ、そう思っただけ。



「……はっ、嘘だ嘘。さっさと学校行くぞ」


「っ…分かってるし」


オレはきっと、一生辰巳に、適わない。







『…今度の休み、出掛けるか』


『え?うん、いいけど…』


『んだ、もっと喜べよな。初デートだぜ?』


『はっ、初デ、ト…ッ!?え、デ、デートなのかっ?』


『嫌か?』


『っ──嫌じゃない!行く、オレ行くっ』



今まで一緒に出かけていたのに、想いを告げただけでそれがこんなにも特別になる。

誘われたときはグッとこらえたけど、ホントは嬉しくて泣きそうだったんだ。



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