９
「でもこのままじゃムダになるじゃん。なぁ黒蝶、そう思うっしょ？」
「ぅえっ？……あ、まぁ…」
「ほら」
「ほら、じゃないッス！あーもー怜治さん助けて下さいよーっ」
「っ…うぜぇ！てめぇらどっか行け!！」
──ガタンッ！
うわっ…ビックリした…辰巳がキレるなんて。
こういう日常では滅多にキレることないから、なんか新鮮だ。
……怒ってる姿も、かっこいい…なんて。
「ふんっ、いわれなくても行くッスよ。…マリモッ、それは貸しにしてやるッスからね！」
「へーへー。……あ、お２人さん、おめーとー。総長は可哀想で見てらんねーけど、なんか幸せそうで羨ましいぜっ」
「っ…羨ま、しい？」
「羨ましいさそりゃ！俺も彼女欲しーっ」
『『僕が立候補しますぅっ』』
『『キャー僕をっ！』』
ムダに叫んだせいで集まってきた親衛隊の子を、軽くあしらいながらジャックも去っていった。
けど、そんなもの目に入らない。
羨ましい？
オレたちが？
みんなそう思って…？
う、わぁあ…っ///
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