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座ったままで軽くクイーンを睨みつける。けれどクイーンは嫌みなくらい笑顔で、首を横に振った。
何もない。
オレ、考えすぎてんのかな…。
「……あ、ごめんね弘樹君。僕そろそろいかないと」
「そ、そーすか。んじゃさよーならっ」
「冷たいなぁ。ま、仕方ないか」
ああ…クイーンも本気なんだね。ふと見せた寂しそうな顔、その気持ち、凄く分かる。
相手にそんな気がないって分かっているのに、少しでも冷たくされると凄く不安になるんだ。
思わず落ち込んだ顔をしてしまったけど、次にやってきたあの人たちのおかげでそれはふっとんだ。
……吹っ飛ばされた?
「あーっ、怜治さん、今日は来てるッスよ!!」
「チッ、黙れワンコロ」
「なっ、自分は犬じゃないッス!白石圭介っていう立派な名前があるッス!ね、怜治さんっ」
「………黙れ」
「はいっ」
「「………」」
相変わらずレイジの犬だな、シロ…。
朝からテンション高いし、寝癖すごいし。たまにはレイジだけじゃなく自分の容姿も整えたらいいのに。
いい顔してんだから、もったいないとか思わないのだろうか。
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