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「……ちょっと…んな素直に謝んないでよ。辰巳が話してくれてたのは嬉しかったから…」
「俺も、周りにようやく牽制出来て安心したな」
そういって辰巳の手がオレの頬に伸びてきた。
大きくて暖かな手。
オレはいつまでこの手に触れてもらえるのだろうか。
「あのー…俺もいるんですけどー…」
「「………あ」」
「ちょ、忘れんなよ!忘れてイチャこくなよ俺がハズいじゃんっ」
「ご、ごめん弘樹。つい…」
「……じゃあ、気まずくなったら僕のとこにくるといいよ」
「ひっ、…な、棗…」
どこからか湧いて出たように弘樹を後ろから抱きしめたクイーン。
周りの声で来てるのは気づいてたから驚きはしないけど、弘樹がちょっと可哀想かもしれない。
ほら、今もこんなに冷や汗流して。
「……何しにきた、クイーン」
「嫌だな、弘樹君に会いに来ただけだよ。それから昨日の話を確かめに?」
「昨日?」
「2人が付き合いだしたってやつ。ねぇ黒蝶、ほんと?」
「ほんと、だったら何?クイーンに関係ある?」
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