2ー11
「冗談はよせ、黒蝶はどうした」
「冗談じゃねぇよ。もっとも、そんな甘ったるい言葉や関係以上に俺たちは強く結ばれてるけどな」
(ひぃ、いってて恥ずかしくねーのかっ!?)
「っ…嘘はやめ、」
「嘘じゃねぇ。…瑛太はどこだって聞いたな?俺の部屋だ、腰を痛めて今日は休みだ」
──ザワッ
ニヤリと勝ち誇った…つーか勝った笑みを見せてやると、周りが騒然となった。
中には顔を赤くする奴までいて、意味は十分伝わったんだと分かる。
ほれみろ、コイツの悔しそうな顔。第一、お前の入る隙なんてなかったんだよ。
「おいお前!本当かっ!?」
「えっ、俺ッスか!?…まぁ、昨日告白の場面目の前で見てたし…」
「っ──」
「そういうことだ、諦めるんだな」
「…俺は諦めねぇからな…!」
「ムダだと思うけどな」
フッと笑って隣の教室に入ろうとすると、廊下の向こうから歩いてきたクイーンと目があった。
ニヤリともう一度笑うとクイーンはそれで理解したのか、口パクで『おめでとう』と告げてくる。
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