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突然笑い出した辰巳に驚いたけれど、なんか吹っ切れたような顔でホッとした。
伝わっただろうか、オレの気持ち。
「でも…これだけは覚えててくれ。二度とあんな真似するな」
「……はい」
「それから…お前のこの顔、マジで綺麗だと思ってる」
「っ…た、つみ…///」
真剣な瞳でいわれたら、誰だってドキッとすると思う。
赤くなってしまった顔を隠すように下を向き、おでこを辰巳の胸に押し付けた。
恥ずかしい…でもオレだって、ムードくらい読める…。
「瑛太…」
「あっ…辰巳…ぃ」
「っちょ、ちょ…待って俺いるから!止めてくれぇえっ」
「……え、ぅあっ!?ちょ、ごめん弘樹っ」
「チッ、いいとこだったっつーのによぉ」
「ば、バカ!部屋っ…辰巳の部屋、いこっ」
あぁもう、雰囲気に飲まれすぎたみたいだ。
弘樹が顔を真っ赤にしてこっちを見てて、それに伝染してオレまで落ち着かなくなって。
そりゃ…友達の濡れ場とか、見たくないよな。オレだってそうだ。
だから辰巳を立たせて部屋を変えることにした。
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