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傷は男の勲章、そう教えてくれたのは辰巳だ。

こんな傷1つで辰巳の命を救うことが出来た、それはオレの凄い誇りなんだよ?


なのに、いっつもツラそうな顔して…オレがしたことは間違いだったみたいじゃんか。



「この傷、オレ作れて良かったよ?じゃなきゃ後悔の方が大きかった。オレ、本当になんとも思ってないんだ」


「だからってあんな真似、二度とすんじゃねぇ!」


「しない…しないから、もう悲しまないでよぉ…」


「……え、」


「タッツー気づいてねぇの?エータの傷見るたび泣きそうな顔してんの」


「あ…わ、わりぃ。そんな顔してたか?」



自分の顔を触りながらもう一度謝り、オレの傷を確かめるように指でなぞる。

ほら、だからその顔とか行為だって。



「次!この傷を気にしたら嫌いになるからっ」


「あ゙?!なんだソレッ」


「それくらい、この傷はオレの一部ってこと!ね、弘樹っ」


「へぁっ!?お、おうっ」



「……クッ、はは、そっか。俺の思い込みすぎか」


「っ……う、うん」



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