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「ごめん…あはは、しばらくはお風呂キツいよなぁ」
「っ…そう、だな」
あ…間違えたかも。
あまりにも暗い顔をするから、冗談でもいって笑い飛ばそうとしたんだ。
でも、辰巳は余計ツラそうな顔をした。必死に笑おうとしてるんだろうけど、笑えてない顔。
辰巳…オレ、すぐ分かったよ。
自分のせいでオレに傷作ったとか、バカなこと思ってんだろうなぁって。
傷が塞がるまでずっと、気が気じゃなかったでしょ。
そのあとだって傷を見るたび綺麗ってわざわざいってくれるんだもん。
逆にオレが困るって、それ。
ちなみに、家に帰ったときは凄かったなぁ。今でも忌々しげに見てくるし。
◆
「……んじゃ、それはタッツーを守って出来たわけだ」
「俺がもっと気を張ってりゃこんなことにはならなかった…」
「っ……あのさ、アンタうざい!」
「は!?」
「何回もいってるじゃん。オレがしたかった、守ったことが誇りなんだよっ」
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