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カイを見つけて走り出したとき、カイの後ろでナイフ片手に手を振りかざす奴がいたんだ。
でもカイは気づいてなくて、オレ、後ろとか叫びながらカイの後ろに立ってた。

ギュッと瞑った目は全てを消したけれど、頬には切られたような痛みが。


違う、切られたんだ。
右頬をスッパリと。



「っあ゙…あ゙、はっ、……っ」



ジクジクと痛みと熱がそこから体を蝕んでいき、そこに触れることも出来ずに床に倒れこんだ。



痛い。


顔が2つに裂けたように痛い。


痛い痛い痛いっ!!




「おい大丈夫かっ!?ちょ、待ってろ、今なんとかするから…っ」


「っは、カ…イ、カイぃ…」


「ん? なんだ、痛いか?」


「ケガ、してな?ぶ、じ…?」


「っ…バカヤロ、今終わらせるから少し待ってろ!」



涙でカイが見えない。
でも、声は少し震えていた気がする。


……良かった、カイ、無事なんだ。

オレがカイを守った。
あのままだったら確実に頭をヤられてたカイを、助けることが出来たんだ。


そう思ったらオレの意識は、あっという間に遠のいていった…。





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