２１
俺に関係してんだろ、そう遠慮がちに聞いてきたコイツ。
んだ、てっきり話してるのかと思ったが、そうじゃなかったのか。
……そりゃ、そうか。
俺のせいだからな、この傷が出来たのは。
＊ ＊ ＊
別に、いえないこともなかった。
けれどその話をして、いつか弘樹が出会ったときに辰巳を責めたら…とか、オレが辰巳を守った勲章だから秘密にしたかったとか、そんな程度。
でも今はその辰巳がいて、弘樹は遠慮がちに聞いてきた。
辰巳の顔が歪む。
……ああ、気にしてるんだ。
「別に黙ってるつもりはなかったし…教えてあげても、いいよね？」
「あ、……ああ、瑛太がそうしてぇなら…」
「うん…」
話すよ、全部。
オレがどんな気持ちでこれを受けたか、今どう思っているのか話すよ。
それ聞いて、少しでも罪悪感がなくなってくれればいいなぁ…。
「弘樹は…ってかオレもここ逃げ出すまで全然知らなかったんだけどさ、夜って結構色んな人が集まるんだよね」
「色んな奴…」
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