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▼辰巳side

いわなくても互いの気持ちは同じだと思っていた。
言葉じゃ表せねぇくらいお互いのことを想って、そばにいるもんだと俺は思っていた。


……いや、瑛太もそうなんだろう。

だが、コイツが極度の不安性だっつーことを忘れていた。
言葉にして、場所を教えてこそ瑛太に安心を与えられたなんてな…。



「オレッ…た、かみざわだけどっ…隣、いていい?」


「お前がどこの子だとか、俺には関係ねぇよ」


「っ…好き、オレから離れないで…!」


「離すつもりねぇから、んな情けねぇ声出すな」



コイツをこんな弱くしたのは、その高見澤のせいなのか、それとも俺と出会っちまったせいなのか。

どっちにしろ、家に連れ込んだときから離すつもりなんてなかったさ。
傷をつけたからとか、そんな甘っちょろい気持ちで好きになったわけじゃねぇ。



………つーか、瑛太に好きっていわれんのはクるな…。
やっぱ、言葉に出して相手に伝えんのも、わるくねぇかも。




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あきゅろす。
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