17
「んなもんじゃねぇよ。言葉じゃ表せねぇくれぇ…特別だ」
「っ、え…」
「恋人なんて言葉じゃ、表せねぇくれぇな」
「ほんと、に…?」
「ああ。じゃなきゃこんなくっつかねぇよ」
「嬉しっ…オレも、辰巳は特別なんだよ…っ」
(ちょ、なんか変なスイッチ入れたー!)
前を向いて座っていたのを向かい合わせにして、辰巳の目をジッと見る。
鋭い目が熱っぽく見つめてきて、嘘じゃないんだと教えてくれた。
ジワジワと顔が熱くなっていき、多分いまは顔が真っ赤だと思う。
……けれど、でも、不安なんだ。
特別って、どれくらい?
それは永遠?
恋人だって永遠じゃないのは分かってる。けれど…、
「オレッ…辰巳が好き、大好き。こんな言葉じゃ足りないくらい好きっ」
「俺も好きだ…けど、どうした」
「特別だけど…っ…でも、でも、ちゃんとした居場所が、欲しいよ…」
「場所…って、お前の居場所はここだろ?」
「そうだけどっ…でも、好き。……好きっ」
ああ、どうしようっ…言葉にすればするほど、この気持ちが高まっていく。
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