2ー28
「おい、ちょ…それ本当かよ!?」
「いやー…俺もビックリしたんだけど…さ」
『『灰狼かっこいー!』』
『佐々木様も素敵ですーっ』
『黒蝶羨ましすぎ!』
……え、オレ?
もしかして両手に花、とか思われてるわけ?
だったら最悪。
一つはアンタたちに返すっつーの。
なんて思っているうちに辰巳がまたステージまでやってきて、ショックを受けつつも睨んでいるキングの横に立った。
「んじゃあ灰狼、何か一言」
「……瑛太、票、サンキューな」
「えっ…あ、うん?」
「ってことで以上でランキング発表を終わりにします!パーティー楽しんでくれなぁ!」
辰巳の一言は、オレに向けてっていうよりもキングに向けての一言って感じがした。
牽制なのか自慢なのか……あ、両方かな、辰巳の場合。
ま、とりあえず終わったみたいだし…残りはアイツだけ。
「予定では10分後に来ることになってるが…気兼ねなく楽しめ、瑛太」
「そんなこといわれてもな…」
「ククッ、大丈夫だ、ちゃんと守ってやっから」
「はぁ…ほんと、辰巳って余裕ありすぎ」
オレはこんなにも緊張してんのにさ。でも手をとってきた辰巳のそれが暖かかったから、少しだけ心に余裕を持つことが出来た。
弘樹も一緒に3人で食べ物をよそり、隅の方で食べる。
いつ食べても美味しいよな…ここの料理。
「……おい、灰狼」
「あ゙?」
「今回は負けたが次はぜってぇ勝つ。せいぜいそれまで黒蝶を愛でてろ」
「バカが。俺が負けることなんてねぇよ」
「うげ、また来た…ってことは…」
「怪獣なんて可愛いなぁ弘樹くんは」
「ギャーやっぱりー!」
──もぐもぐ
「美鶴さんその格好でいう…何でもありませんどうぞ前田先輩を可愛がって下さい」
「そう?じゃあせっかくだから2人きりで…」
「ちょっ、エータ助けてくれっ」
「ん、ぅ?」
何だよ、もう。
人がご飯食べてるときに腕を引っ張るなんて危ないだろ。
ってゆうか弘樹意外と楽しそうだし、いいんじゃないかな。
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