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2ー27


(え・い・た)


「ぁ…たつ、み…票、ありがと…」



笑顔でオレを呼ぶ辰巳を見たら、自然とそんなことを口にしていた。

ヒューヒューとはやし立てられるそれも、今は嫌じゃない。
早く、あの人によく出来ましたと誉めてもらいたい。



「チッ…黒蝶、こっちに立ってろ」


「ちょ、触るな変態」


「なっ…はぁ!?」


「王様の格好してるからって何でも聞いてもらえると思ったら、大間違いなんだから」


『いいぜ黒蝶ー!』

『佐々木様になんてことっ』




ふんっと鼻で笑ってシロの横に立つ。まだ少し気持ち悪いけれど、早く終わらせたくて我慢した。

……シロが横ではやし立ててくるのは総ムシで。



「あっ…と、じゃあ最後、1位の発表だ!もうお分かりかなぁ?…棗美鶴ーっ」

「ありがとう…なんて、こんな格好して僕が喜んでるみたい。最悪…」

「ちょ、美鶴さん」

「弘樹くん…僕はこんな趣味してないからね」

「ひっ、お、俺…!?」



ああ、もう…ただでさえ親衛隊がうるさいってのに。
けれどようやく抱きたいの発表は終わって、次の抱かれたいに移ることになった。


でも…ね?
オレたちはまだここにいなきゃいけないの?

……ふざけるなよ…。



「そんじゃー第3位!会計らしいことは全くしてくれません、流川怜治ー」

「っ…怜治さんさすがッスー!かっこいいッス怜治さぁぁん」


「うるさ…」


「怜治さーんっ」

「てめぇ…黙れ」


──ピタッ



唸るようなレイジの制止に、横にいるオレがいっても聞かなかったシロが静かになった。

口元を手で押さえてキラキラした目でレイジを見ている。
……やっぱ犬にしか見えないや。



「はーいキャンキャンうるさいワンコちゃんがやっと静かになったので次いきます。第2位!ななな、なんとっ!まさかの我らがキング、佐々木秀司だー!」





「……はぁあーっ!?」

「そして1位もいっちゃうよ。ここでも1位の座は譲らないつもりか、灰狼こと原辰巳ー!もっかいここ来てくれぇっ」




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