2ー22
「その後どうするか…想像もつかないね…」
「……いや、人の間を我が物顔で歩いて瑛太を探すだろうよ」
黒いドレスにばかり気をとられて、な。だがまぁ、問題はT-cardsに対してどうするのか、だな。
ちゃっかり顔見せて探すのを手伝うとでもいうのか、隠れながら探して連絡をどちらかに入れんのか。
どっちにしろ、アイツに瑛太を見つけることは出来ねぇ。
出来たとして、俺だけでなくT-cardsにも情報がいったら確実だ。
「逆に黒蝶にたどり着けなかったらどうするつもりだ?」
「……呼び出す。俺が見つけた、ってな」
「それでどうなるか…分からないけど、もうどうにでもなれって感じだね」
「くっそーマジ許せねぇジョーカーの野郎…!今回ばかりは黒蝶に同情するぜ」
だが、これで終わりだ。
どんな言い逃れをしようと、colors総長としてアイツを切ってやる。
瑛太に害をなす奴は、誰であろうと許さねぇ…!
* * *
戻ってきた辰巳にいわれたのは、パーティーを楽しめ、ってことだけだった。
時間もそんなかかってなかったから、これといった話し合いはしなかったんだろうけど…いいのかな、それで。
はぁ…頼りにされてないのかなー…。
「おーいエータ、着たかー?」
「着たー…っていうかこれ、わざわざ部屋で着る必要ある?」
「だって楽しみがなくなるじゃねぇか!」
「楽しみって…ただのツナギじゃん」
「いーから、1、2の3で出るぞ。いーち、にーの…さんっ!」
弘樹のかけ声で自分の部屋からリビングに出た。弘樹も同じでそっちをすぐ振り向いたけど…何ともいえないよ、コレ。
今日のハロウィンパーティーの格好、まずは弘樹。
全身パッと見は緑だけれど、ちゃんと尻尾までついた怪獣のツナギ。
かっこよくもなければ可愛くもなく、さらに面白味もないただのツナギ。
「……楽しめた?」
「いやっ…うーん…まぁ、エータはなかなか可愛いぜ」
「なんだそれ」
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