2ー21
「カイロッ、てめ…!」
「ああもう、今は落ち着いて秀司。負けは負けなんだから…」
「そうッスよ!しょせんNo.2のチームはどこでも2番だったってことッスね」
「あ゙ぁ゙!?」
「……ま、自分が怜治さんと同じクラスだったら絶対優勝してたッスけど」
ヘヘーン、とステージの下で威張るシロはとっても小さく見える。
うわ、可愛いとかいわれてるし…それも気づいてないし。
おまけに、そんなシロをシカトして進行を進めていくから……ああ、ほら、キレちゃった。
ま、レイジにすぐに止められたけど。
「本日6時からハロウィンパーティーを行います。仮装して参加するように。以上、解散」
「はぁ…部屋、戻ろ。辰巳…」
「ああ。……いや、あいつらと少し話をしなきゃなんねぇ」
「え…?」
「……紫烏のことだ。瑛太は前田と先帰ってろ」
紫烏のこと…忘れてた。
この2日、凄く楽しくて、今日がその日だということを忘れてた。
アイツが来る。
オレを…陥れるために。
「っ…でも、ならオレも…っ」
「いや、今日のために少し休んどけよ」
「……オレじゃ、頼りない…?」
「そうじゃねぇ。出来れば、瑛太にはツラい思いをさせずに全てを終わらせたいんだ。…な?」
「エータ、戻ろうぜ…」
「わ、かった…でも!何かあったらっ…ちゃんと教えてくれるよね…?」
「もちろんだ」
最後にクシャッと撫でてくれた頭を押さえて、弘樹と寮に戻る。
辰巳の気持ちがこれでもかってほど伝わってきたから、オレは我慢、するよ。
▼辰巳side
嘘はいってねぇ。
どんな内容だろうと、紫烏の名が出てくると瑛太はいつも顔を歪めるんだ。
相当嫌って、怖がってんのが伝わってくる。
だからなるべく話し合いには入れたくねぇ。こっちで話して、重要なとこを伝えるだけでいい。
「………チッ」
「ちょっと、イライラしないで秀司。今はジョーカーのことでしょ」
「ソイツのことだが…始まる時間を伝えたら30分後に入ると返ってきた」
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