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2ー20
ここでもマジメ発揮かよ会長ぉ!

でも、このキングとクイーンの隠しきれてない嬉しそうな顔。
多分、負けてる。


でもオレは、キングのモノになる気はない。辰巳が…
辰巳が消えろっていうまで、オレは出来るだけ彼のそばにいたいから。



「じゃあ、各クラスのポイントを3分の1ずつ、オレたちの…3ー2に分けて下さい」


「『はあ!?』」


「あ、間違えた。……寄越せ」


「クッ…そうきたか。さすが瑛太」



ニッコリとわざと笑顔を貼り付けての命令。全校も、目の前のキングたちが固まってるのも、見ていて凄く気分がいい。



思いもよらなかった?

卑怯だとか思った?

オレは勝つためなら、辰巳の役にたつならこれくらいはするよ?

頭を働かせるよ?


だって力ずくじゃ、オレは負けるから。



「無理なお願いじゃないはず…ですよね、会長?」


『あ、ああ…仕方ないだろう』

「オイ、んなことしたらっ」

『出来る限りの願いは聞く、それが逃げきった者に与えられる賞品だ。これは有効、よって反対意見は聞き入らない』


「……ありがとうございました、会長」



本当にありがとう、バカマジメで。これがめしキングが会長とかだったら、即却下されてただろうな。

感謝してよ、あんたらのクラスからだけじゃなくて全クラスから平等にもらうようにしたんだから。



緩む口元を隠すことも出来ずに、下で待っていた辰巳に駆け寄った。
一回ギュッと抱き締め、耳元でよくやったと誉めてくれる。

ああ…っ、それだけでオレは幸せだよ。



「だぁあーもう次っ!クラス総合優勝!今聞いた通りポイント移動で優勝は3ー2だっ」

『『わぁああっ!』』

「くっそ…このままいきゃ俺らが優勝だったっつーのに!」


「結局はコイツのことを分かってなかった、ってことだ。残念だったなぁ」



ニヤリ、と不敵に笑う辰巳にドキッとする。そして見せつけるようにオレの髪にキスをした辰巳。

体育館が揺れるほどワーキャーと声が響き渡り、鼓膜が破けそうなほど耳が痛くなる。




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