2ー19
「そうそう。それにオレがそんなことさせないしさ」
「おまっ…心の友よ!よし、スッキリした。あとはクラス優勝さえしてくれれば…っ」
確かに…リボンがどれくらいの差で奪ったかが分かればいいんだけど、それも分からないしちょっと余裕気味のキングが怪しい。
……つかさ、アイツ、レイジはシロがとったやつだよね、全部。
いいのかシロ…なんて、オレも同じことしたかもだけど。
「えー今回は灰狼以外みんな生徒会っつーことで、賞品はなし!も一度はーくしゅーっ」
──パチパチパチ…ッ
「うわ、卑怯…辰巳にだけあげればいいのに」
「そんなもったいないことするか、って顔してるよな、佐々木…」
「さー続いては逃げ切った人の発表だ!今年はたった1人、…たった1人逃げ切ったぜ。高見澤瑛太カモーンッ」
「……うわ、うざい」
体全体を使ってカモーン…とか、どんだけバカなんだろう。
しかもそれを緑の坊主がやってるんだから、逆に少し怖いよね。
行きたくない。
そんな気持ちを押し込めてステージに向かった。
そのステージのすぐよこで辰巳は待っていてくれて、好きなもん頼んでこいよ、と背中を押される。
好きなもの、ね…。
「おっめでとー黒蝶!いやー敵ながらあっぱれってこのことだよな」
「いいから進めなさい。恥じだよ、黒蝶を捕らえることが出来なかったのは」
「ゔ、へいへい…んじゃ、さっさと願い事いっちゃってー」
「むしろいわずに帰ってくれてもいいよ」
「おいこら、美鶴。牙をむくな俺の黒蝶に」
「違うから」
何が "俺の" なんだか。
でもまぁ、クイーンの気持ちも分からなくはないよ?
オレだってT-cardsの間にずっと突っ立ってるなんてこと、したくないし。
何よりも…視線が気持ち悪い。
あぁもう嫌だ。オレを見るなよ。
「オレの願いより先に…クラス優勝を教えてもらうことは出来ないわけ?」
「あ゙?…そんなに知りてぇか、お前の未来」
「そりゃあ…ねぇ?」
『ダメだ、スケジュール通りに進めていく。早く何かいってくれ』
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