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2ー14
瑛太を逃がしてこんな会話を少しし、キングはそこから去っていった。
確かに勝負はまだ決まってねぇ。生徒会が鬼っつーのは少々厄介だ。

この俺に渡してくる奴がいるんだ、あいつらも相当な数もらってんだろうしよ。



「………瑛太、逃げ切れてるか…」



瑛太だってダテにcolorsの幹部として2年もやってきてねぇ。
何よりも逃走術をこれでもかってくれぇ仕込んできてる。

大丈夫だろうが…やはり心配だ。変な奴らに襲われてなきゃいいが…。







それからしばらく、瑛太を探すと同時にリボンを奪いに走り回った。

そしてやっと見つけた。
校舎の3階、シロに追いかけられてる瑛太を。



……が、そのまま下に降りてくるかと思いきや、瑛太は階段を通り過ぎてドンドン奥へ逃げていく。

俺もそれを下で追いかけながら校舎の端までやってきた。


この高さはギリギリ…か。



「……っ、瑛太、こっちだ!!」


「え…っ、辰巳!」


「飛べ、瑛太!」


「とっ…また飛べって、オレは人間だっつーの!」


「ギャハハ、灰狼はバカだったんスか!」



チッ、バカにいわれたかねぇな…。

だがこれしかねぇ。
俺が来たことでレイジの野郎も少し気を張ったしな。


………たかが鬼ごっこだが。



「捕まりてぇのか…っ?」


「や…ヤダ!でもムリ…ッ」


「……俺を信じろ、しっかり受け止めてやる。来いっ!!」


「っ…あーもー…ちゃんと受け止めてよね…!」


「げぇ、マジっすか!?」

「ここ3階だろ…っ」



大きく手を広げた俺に向かい、若干投げやり気味に瑛太が3階の窓から飛んできた。


ふわっと流れる黒髪。
本当は一瞬のはずなのに、ゆっくり落ちてくるように見えるその姿。

つい、息を飲んだ。



鳥籠から飛び立つ鳥のようだ。

俺のもとへ、羽を休めようとおりてくるチョウのようだ…と。


とにかく、綺麗だった。



──ガシッ


「っ…ぅあ…!」


「ははっ…さすが瑛太」


「ば、バカ…ッ、重かったでしょ…?」


「いんや、ほら逃げるぞ」




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