2ー9
「……ちょっと早く起こしすぎちゃったかな…」
「あ?…気にすんな。俺もメシ食ってすぐ寝たしな」
「起こしてくれれば良かったのに…」
「あまりにも熟睡してるから起こせなかったんだよ。それじゃ足りねぇだろ?あとで少しなんか食うか」
「……10時からだもんね…」
何だかんだでまだ7時にもなってない。外は明るくなってきたけど、集合までには時間がある。
弘樹と一緒に食堂へ行ってデザート程度に何か食べよう、うん。
「……瑛太、今日は気ィつけろよ」
「うん、分かってる」
「親衛隊は…まぁ、襲われることはねぇ…はずだが…多分」
「ちょっと…歯切れ悪すぎ。大丈夫だよ、オレだってcolorsの幹部なんだから。自分の身くらい自分で守れる」
………はず。
恨みは買ってないことはもう分かってるんだけどさ、その…オレのことを変な目で見る人はいるから。
そっちに気をつけろっていってるんだよね、辰巳は。
オレだって襲われたくないから全力で逃げるし。
「問題はあいつらか…」
「あー…でも、辰巳が一緒に逃げてくれるんでしょ?」
「出来るだけな。でも万が一はぐれたとき、そんときゃなりふり構わず逃げろ。若しくはクイーンに捕まっちまえ」
「クイーンにね…うん」
っていっても、まぁキング以外は大丈夫だと思うんだけど。
そういえばシロも鬼役だっけ?
……しつこそう。
それから時間が来るまで辰巳と作戦会議をして、弘樹と一緒に食堂へ向かった。
久しぶりに食べたプリンは甘くて美味しかったな。
◆
「やってきました2日目鬼ごっこー!みんな準備はいいかーっ?」
『『ばっちしー!』』
「俺も万全だぜぇえっ!だからって人にケガだけはさせんなよ?」
『『はーいっ』』
……相変わらず、ほんとに男子高校生なのかと疑ってしまいそうになる返事。
でもまぁ、みんな凄い張り切ってるのが伝わってきて、オレもうかうかしてられなくなる。
さっきから嫌というほどステージの上から見てくる人がいるし…。
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