2ー8
とにかく、鬼はたくさん捕まえてリボンをゲットし、上位数名が表彰される。
逃げる側は、逃げ切ればその人たち全員に表彰。これが無駄に長時間やるから体力保たないんだよね。
……なんて、
何と今年は逃げる役になってしまった。
辰巳は鬼役、弘樹は逃げる役。
……T-cardsは、生徒会は鬼。
少しどころかとても不安でたまりません。
◆
「んっ…ぁ、朝…?」
……の割には、外が暗い。
もしかしてこんな日に限って雨なのだろうか。
それはそれでラッキーかも、とか思いながら辰巳を起こさずにケータイを取り出す。
見てビックリ、
まだ早朝の5時でした。
そういえば夕食も食べずに寝ちゃったんだっけ?うわ、12時間も寝たとかどんだけ体力ないんだろ…。
──ぐぅぅ…
「あー…どーしよう」
昨日のお昼から何も食べてないせいか、お腹がもう鳴いてる。
しかも寝過ぎて体が鈍ってるし、眠くないからここにいても暇なだけ。
……久しぶりに、何か作ろうかな。
そう思って静かに布団から出て、キッチンへ向かった。
あまり料理はしないし出来ないけど、簡単なものくらいは出来る。
キッチンへの出入りは禁止されてたからな…今は料理出来る男がモテるのに。
「うーん…何もないなぁ…」
普段しないからなぁ。
あるのはパスタの麺に冷凍食品。あとレトルト系に…漬け物?
これどうなんだろ…野菜とかないし、卵と牛乳はちょっとヤバめだし…オレに何を作れと?
いや、作るって決めたのはオレなんだけど…。
「とりあえず…ソースはカレーでいいかな」
朝から重いかな。
……あ、トマト缶あるじゃんか、これでいいや。
朝だし動き回るからこんなんでいいよね?それしか作れないもん。
それからトマト缶の中身を鍋に開けて煮込み、冷凍のグリンピースとかを少しだけ入れて、味付けをした。
で、時間はちょっと早かったけど麺も茹でて辰巳を起こして、一瞬に食べた。
即席にしてはなかなかだと思ったけど…ま、いっか。
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