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2ー2
正直いって、クイーンが何をいっているのかよく理解出来ない。
もちろん何がいいたいのかなんて、これっぽっちも伝わってこないし。


そんな怪訝そうに見つめていたオレに気づいたのか、クイーンは周りにワーキャーいわせてる笑顔でこういった。



「まるで双子みたいじゃない?どっちかが欠けたら、その片方も壊れちゃう。君たち2人を見てるとそう思えてならないよ」


「よく…見てるね」


「肉弾戦より頭脳戦が得意だからね」



……辰巳はどうか知らないけれど、オレはきっと、辰巳がいなくなれば壊れちゃうだろうから。

それを他人に指摘されるのは気分のいいものではないけれど、クイーンはそれをどうこうする人じゃないからまだいい。


辰巳に知られてないだけ、
全然いい。



「……ほら、試合見ないと終わっちゃうよ?」


「へっ?…あ、ちょ、アンタのせいで辰巳の活躍見れてないじゃん!」


「僕だって弘樹くんの活躍見れてないし、お互い様でしょ?」


「っ…辰巳、アレ、見たい…!」


「「……アレ?」」


「ククッ、ああ、ちゃんと見てろよ」



バスケをやる辰巳も好きだけれど、そんな中アレをやる姿が一番好きだ。

ほとんど見れなかったから、せめてそれだけは見たいと思った。


期待した目を隠せずに頼んだオレに、辰巳は来ると思ったとでもいうような笑みを見せてくれた。

そして、弘樹からパスを受け取ってゴールまで一直線に進んでいく。
体が大きいにも限らず、右へ左へと俊敏な動き。



「っ…いけ、…いけっ」



ニヤリと不敵に笑う口元。
ゴール下で大きな踏み込みに入る体。

飛び上がる、辰巳。



──ダァンッ!!


「──っし、」


「っあ…すご、さいこ…っ」


『『ぅ、うわぁああっ!!』』



辰巳のするダンクは、
いつもオレの体を痺れさせる。


他の人がするソレと何の違いもないはずなのに、甘い刺激がオレの中を駆け巡るんだ。

足からゾワゾワっと、鳥肌がまでたつほどに。




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あきゅろす。
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