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「どうだったんだ?」


「勝ったよ、もちろん。そっちは?」


「余裕だな。おら、今だって…」


「くっそー悪い!俺の力不足だ…っ。次は勝つから力合わせて頑張ろうぜ!」

『『山上…!』』


「試合中ずっとあんな感じだ。いい奴だが…シロ並みにうぜぇ」



うん、2人は結構似た者同士だとオレも今、思ったよ。


それから何回か試合があったけど、午前の部は無事全勝で終わった。

お昼もしっかり食べて、いよいよ決勝だ。







まずはバレー。
あの会長のオーラにやられたのか、本当に強かったのか、3ー5が優勝をしてしまった。


そして次はバスケだ。
オレたちのクラス、3ー2対キングたちのクラス、3ー5での決勝戦。

周りは2チームの総長の試合というのもあって、人と熱気で溢れている。



「これで俺らが勝てば黒蝶、お前は俺のものだ…」


「触んないで。勝つのは辰巳だし」


「そうだ、触るな。……瑛太、そこでちゃんと見てろよな」


「うん、頑張って。弘樹も、ケガしないようにね」


「お、おう…っ」



というか、2人の争いに巻き込まれないように、なんだけど…大丈夫かな。
今の弘樹はとっても小さく見える。

ちょっと可哀想…。



けれどそんな心配で何かが変わるわけでもなく、ゲームは始まった。

オレは真ん中あたりに位置する得点板のそばに立ち、ただひたすら辰巳を目で追い続けた。



「チッ、いかせねぇ!」


「……いい加減気づけ。お前にゃ瑛太の横に立つこては出来ねぇんだよ」


「はぁ?!」


「出来ても、ただ突っ立ってることだけだ」



ダムダムとボールを鳴らしながら、辰巳は目の前に立ちはだかったキングを睨み付ける。

何か話してるようだけど、オレのところまでは聞こえなく、ピリピリした空気に少し息苦しさを感じた。



ああでも…辰巳の方が、やっぱかっこいいな。

キングも美形だけど、辰巳には負けると思う。辰巳のあの赤メッシュ、実はオレ、大好きなんだよね……って何いってんだろ。




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