[携帯モード] [URL送信]
28
2人と別れてテニスコートへ。
視線は凄いし、ここぞとばかりに声をかけてくる人がいるけど…大丈夫。

辰巳だって、今頑張ってんだ。
オレはただ、テニスをやればいい。



▼辰巳side

1人外へ出て行く瑛太に、ニヤニヤした顔で何人かがついていきやがる。
逆に俺らバスケコートの周りはキャンキャンうっせぇので混雑してる。

……瑛太に何もなきゃいいが…。



「あああ゙ぁあ…緊張する…」


「……せめて足手まといにだけはなんな」


「分ぁってるよ。でも山上かー…」



相手チームにはジャックに、運動が出来そうな奴ら。
バスケ部も入っているだろうが、それはこっちも同じだ。


つか、こんなとこで負けてらんねぇ。瑛太にいいとこ見せねぇとな。



「手加減しないんでよろしく、センパイ?あんたらや総長と同じで、俺らも優勝目指してっし」


「せいぜい恥をかかねぇよう気をつけとけ」


「その余裕、へし折ってやる。俺だって幹部の1人だぜ?」


(ひぃぃ、やっぱ俺、ムリ!)



確かに、あいつらについてる奴なだけあると思う。
だが、それが何だ?

今はバスケの勝負…つーかこの俺が負けるわけねぇ。



ニヤリと笑い、ジャンプボールをするために位置についた。
案の定目の前にはジャックがくる。

笛の音と共に投げられたボールを追ってジャンプをすると、わずかだが俺の方が上に出た。


そのままチームの奴に渡す。



「……チッ、ジャンプ力だけは自信あったんだけどな」


「俺は、全てに自信がある」


「うっわ、総長と同じこといったし!」


「あ゙?!」



あんな奴と一緒にすんじゃねぇよ、ったく。

これ以上の無駄話はほんとに時間の無駄になる。さっさとボールのある方へ走り、パスを受けてシュートした。


湧き上がる歓声に耳がいてぇ。
お前らは男じゃねぇのか。



「タッツーディフェンス!」


「……ああ」


「うわ、っとぉ…やっぱ灰狼か」


「通らせねぇよ」



ボールを運んできたジャックの前に立ちふさがり、しっかりと目を見る。

ついでだ、睨みつけてやった。




[*前へ][次へ#]

28/65ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!