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出来ないわけでもなく、凄く出来るってわけでもないような……オレもなんだけど。
colorsに入って少し動けるようにはなったけれど、運動が得意になったわけではないから。
……こんなんで、力になれるのかな…。
「オレも、出来る限り頑張るからっ」
「クッ…ああ、ムリしねぇ程度にな」
「なにそれ…アンタ、オレには期待してないでしょ」
「………」
そりゃ、いつものオレ見てたら期待は出来ないのかもしれないけどさ、オレにも得意なものはあるし。うん。
目を明後日の方向へ向ける辰巳を、下からちょっとだけ力をいれて頭突きしてやった。
辰巳にも見直してもらうために、明日はオレ、死ぬ気で頑張るし。
「今日はオレ、もう寝る」
「ああ、ゆっくり休んで明日、楽しもうな」
「っ…うん、そだね」
ムリするんじゃなくて、
楽しもう。
ああ、何でだろ…負ける気がしないや。
◆
「……ふざけんな」
「なっ…な、にが、」
ついにやってきた体育祭1日目。十分気合いは入ってるし、動きたくて体がウズウズしてる。
それは弘樹も同じみたいで、ジャージに着替えて辰巳と待ち合わせしてる場所に駆け足で向かったんだ。
なのに、やってきたオレを見て挨拶もなく一言。
オレ…なにか、しちゃった…?
「ご、ごめ「何だその格好」……え?」
「足も隠せ足も」
「え…、え、何いって…?」
「他の奴らに変な目で見られたらどうするんだ。ったく」
あ…心配、してくれたのかな?
今日はジャージってことで、上は長袖下はハーパンっていう格好をしてる。
この組み合わせが一番ラクだし…足隠せって、わざわざ長い靴下履くことなんかないし。
とりあえず…良かった。
怒られたわけじゃないんだ。
「じゃー辰巳も腕隠しなよ」
「……は?」
「そんな逞しい腕見たら、みんな惚れちゃうよ?」
「っ…うっせ、///」
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