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明日はもう体育祭、という今日まで時間が過ぎるのはあっという間だった。


ただ、その…紫烏のことでキングが勘違いをして、毎日会いに来るのがウザいんだよね。

なれ合うつもりはないのに、近づいたとか勝手に思ってる。





………勝手に、ね。


実はオレも勝手に辰巳のそばにいていいとか、思ってるだけだったりして…はは。



「約束忘れてねぇだろうな」


「ああ、こっちは俺に瑛太に前田。負ける気がしねぇな」


「え゙、タッツー俺も入っちゃってるし!」


「こっちは美鶴と俺だけだ…が、まぁいいハンデだな。前田がどこまで出来るかだが」



あ、弘樹が間に挟まれた。
……ご愁傷様。


あとはレイジと、侮れない会長のいる1組も注意。
ジャックとシロは2ー6で一緒だけれど…協力ってするのかな?

他は多分大丈夫。



「待ってろよ黒蝶」


「全校に情けない姿見せる前に逃げてもいいんだよ?」



ちょっとバカにするように鼻で笑って、オレを見下ろしているキングを睨む。

……けど、やっぱり効果なし。
何でかオレが睨んでも、みんな怯んでくれないんだよね。


ちょっとツリ目だとか、目つき悪そう、なんていわれるくせに。男として悔しい。

辰巳の、狼みたいな鋭い目が少し羨ましい。



「おいこら、瑛太」


「うわ…っ、な、なに?」


「あんま見てんな。瑛太の大事な目が腐るだろ」


「あ…ごめん」


(やっぱ2人ともひでぇ!)



後ろから手で隠されて、そのままクルッと後ろを向く。
睨み合ってたキングじゃなくて辰巳が見えて、なんだか得した気分だ。

後ろでゴチャゴチャいってるのが聞こえたけど、そこらへんは2人で無視を決め込んだ。



それで夜、夕食も終えて、辰巳はオレたちの部屋に遊びにきた。

……作戦会議?



「前田は運動神経、いいのか?」


「タッツー…体育で俺の何見てたの」


「見てねぇよ、てめぇなんか」


「……あ、サイですか」


「弘樹は普通よりちょっと出来るくらいだと思うけど?」




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あきゅろす。
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