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▼辰巳side


ジョーカーへ連絡を入れた、とT-cardsから聞いたその日の夜。

アイツは瑛太が狙われてるかもと、いかにも自分で探り当てたような言い方で連絡を入れてきやがった。



『蝶々とられちゃうかもねーあら大変』


『……チョウからもパーティーのこては聞いてた。俺も守るつもりでいるが…紫烏、力を貸してくんねぇか?』


『………は?』


『パーティーに忍び込んでチョウを匿ってくれ。アイツは当日、黒いドレスを着るそうだ』


『へぇ…黒いドレスね、蝶々にピッタシじゃーん。いいよ、見てみたいし…どうやらナイトは力不足のようだし?』



瑛太の格好を聞いて、アイツの声は一気に変わった。
会いに行っていいといわれたのも予想外だったのかもな。

バカは完全に調子乗りやがった。



『ククッ、なぁ、お願いはしないのかなー?大事で大事でたまんなぁい蝶々を魔の手から紫烏様の手で守ってーってさ』


『……ああ、チョウは何よりも大事だ。T-cardsから守ってほしい。よろしく頼む』


『ふーん…つまんねぇの、もっとイジメてやろうと思ったのに。ま、いいや、黒のドレスね』


『ああ、俺とお前しかまだ知らねぇから』


『ははっ、俺楽しみにしてるよーって、愛しの蝶々チャンに伝えといて?つかいっとけよ』


『……分かった。また連絡を入れる』


『大事な用以外はやめろよなー』



瑛太を囮にするのは気が引けた。今もニヤニヤした顔でドレス姿の瑛太を想像してるかと思うと…ああ、胸くそわりぃ。


まぁ、だがちゃんとした収穫はあった。その次の日にゃ、ジョーカーから黒のドレスだといわれた、と教えてもらった。

チッ、やっぱ同一人物か。


あとは、当日仕掛けるだけだ。
大丈夫、俺が瑛太を守ってやる。

……紫烏からも、
もちろんT-cardsからも、な。



* * *



「明日からはいよいよ体育祭だなぁ黒蝶」


「……気安く話しかけないでよ」


「てめぇ勘違いすんじゃねぇ。紫烏のことで手は組んでも、お前らとなれ合うつもりはねぇんだよ」


「さっさと教室戻ってよ」



(うわ…エータもタッツーも容赦ねー…)




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