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「いや…それでだ、紫烏を、追放しようと思う。colorsからも、夜の世界からも」
「どうやって…?」
「今度のハロウィンにおびき寄せて、言い訳出来ねぇようにする」
まず、T-cardsからジョーカーに手に入れたいと連絡を入れるらしい。
何の格好をするか調べてくれ、と。
そこから先は紫烏の行動によって変わるけど、辰巳がわざと紫烏に連絡を入れるらしい。
自分は学校が違うからオレを守ってやってくれ…と。
そこで何の格好をしてるか聞いてくれれば成功。
多分T-cardsにも教えるから、当日は違う格好でなんか色々…とか。
全てが曖昧だけど、どう転んでも紫烏は許さない。
そう辰巳はいってくれた。
「絶対に守ってみせるから…」
「大丈夫…大丈夫だよ。オレだって男だ、colorsの副総長だもん。大丈夫」
「……そうか」
「うん、大丈夫」
自分に言い聞かせるように、何度も大丈夫だと口にした。
直接関わるのは最後だけっていっていたけど、アイツは存在自体が怖いんだ。
そばにいるかも…なんて、思っただけで怖くなる。
………ああ、やめよう。
今はもう考えるのをやめよう。
「今日も一緒に寝るか?」
「……アンタが寝たいだけだろ…」
「ククッ、ああ、そうかもな」
「っ…別に、いいよ。……あ、でも夕食はちゃんと弘樹も一緒だから」
「何でだ?」
「だって…メールきたときぐらいから、弘樹のこと忘れかけてたし」
辰巳が来てから弘樹とあまり関われてない。今日だって放課後は生徒会室にいて、今直接辰巳の部屋にきたし。
都合のいい人間だけにはなりたくないんだ。
辰巳が来たから弘樹はもういらない、なんてことにはしたくないんだ。
「友達思いでいいな」
「……そう?」
「ああ、そんな瑛太も魅力的だ」
「……バッ!アンタばかじゃないの!?」
み、魅力的とかなんなわけっ?
友達大切にするの、普通じゃん…。
うわぁ恥ずかしい。
多分、耳、真っ赤だろうな。
「……よし、行くか」
「うん、行こっか」
手を自然と繋いで、弘樹を迎えにオレの部屋までゆっくり向かった…。
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