[携帯モード] [URL送信]
18
──ガチャッ


『……やっとか、遅い。さっさと仕事しろ』


「ごめんね。でもちょっと休憩にしない?滋も疲れたでしょ?」


『今来たのに休憩、な。はぁ…コーヒー』


「はいはい。…あ、秀司、黒蝶から仕事引き継いでね」


「ああ、……って何で2人で座ってんだ」


「うるさいッス。黒蝶は意外と優しかったんスよ」



……意外って、一言余計じゃないの?

と、いうより…オレが横にきた意味、ちゃんと気づいてたんだ。それこそ意外。



「てめぇ…黒蝶が優しいのが意外だと…!?」


「自分が優しいと思うのは怜治さんだけッス!ねっ!?」

「……うるせぇ」

「ウスッ」


「……瑛太、何してたんだ?」


「ん?……ああ、入力処理。こき使われた」


「チッ、ジャックのやろう…」



舌打ちをしてジャックを睨む辰巳は、極自然にオレの横に座ってくれた。

それが嬉しくてパソコンをキングに押しやり、少し寄りかかるようにして座り直す。


ふぁ…目が疲れた。



「ねぇ…何の話、してた、の…?」


「ああ、そのことだが瑛太にいわなきゃいけないことがある」


「え…?」


「………また部屋に戻ってからな」


「あ…うん。その方がいいと思う」



なぜって、会長がこの中の誰よりも怖い目で睨んでくるから。

あの人こそ、真の不良なんじゃないかと思うほど。



「はい黒蝶、手伝いありがとうね。良かったら飲んで?」


「………あんたらが入れたのなんて、いらないし」


「………」


「ククッ、よく分かってんな瑛太。もうここに用はねぇ。帰るか」


「ん、帰る」



ワシャワシャッと頭を撫でてくれたのを甘んじて受け、辰巳に手を引かれるまま立ち上がった。


キングたちがうるさいけど、別になれ合うつもりもないし。
会長にだけ軽く頭を下げ、オレたちはその場を後にした。



「……ゲ、黒蝶…全部終わってやがる」


『どこぞの書記や会計よりよっぽど力になるな。さっさとやれ。……流川も』


「…………チッ、手伝えシロ」


「もちろんッス!」








[*前へ][次へ#]

18/65ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!